特徴や将来性を解説
「イーサリアムって何?ビットコインと何が違うの?」
「イーサリアムに将来性はあるの?」
「イーサリアムのメリットやデメリットは?」
このような悩みや疑問を持っていませんか。
仮想通貨はよく話題になりますが、詳しい内容などを聞く機会はなかなかありませんよね。
実際に「イーサリアムに興味があっても、詳しい内容が分からないから手を出さない」という人は多いです。
そこで、この記事ではイーサリアムについて詳しく説明していきます。
- イーサリアムの概要やビットコインとの違い
- イーサリアムのメリットとデメリット
- イーサリアムの将来性
この記事を読むことで「イーサリアムがどのようなものなのか」を知ることができるので、興味のある人はぜひ最後まで読み進めてみてください。
イーサリアムとは?
イーサリアムとはブロックチェーン技術を用いた、アプリケーションを開発するためのプラットフォームの名称であり、イーサリアム上には様々なアプリケーションを構築することができます。
また、このプロジェクトでは仮想通貨「イーサ(ETH)」が発行されています。
ちなみに、日本では仮想通貨「イーサ」もプラットフォーム名の「イーサリアム」で表現されることが多いです。実際に、ニュースなどで話題にあがる「イーサリアム」はほとんどが仮想通貨のことを指しています。
仮想通貨「イーサ(ETH)」は、プラットフォーム(イーサリアム)の仕組みの一角を担っており、プラットフォームが稼働するうえでなくてはならない存在です。
これらは互いに深い関係性を持っているため、プラットフォーム(イーサリアム)の人気と仮想通貨(イーサ)の価格は比例して推移します。
- イーサリアムとは、次の2つを指す言葉
- アプリ開発プラットフォーム
- 仮想通貨 「イーサ(ETH)」
- 仮想通貨(イーサ)とプラットフォーム(イーサリアム)の価値は比例する
- プラットフォームの人気が上がると仮想通貨「イーサ(ETH)」の価値も増加する
- プラットフォームの人気が落ちると仮想通貨「イーサ(ETH)」の価値も低下する
近年、仮想通貨「イーサ(ETH)」の価値が高騰していますが、その理由はプラットフォーム(イーサリアム)の人気の高まりにあります。
イーサリアムとビットコインの違い
ビットコインの違い
イーサリアムはアプリケーションのプラットフォームであるのに対し、ビットコインは通貨です。
取引データがブロックチェーン上に記録される点はどちらも同じですが、利用用途は全く異なったものとなります。
ビットコイン | イーサリアム | |
発行上限 | 2100万枚 | なし |
利用用途 | 通貨 | アプリのプラットフォーム |
承認方式 | PoW | PoW→PoS |
備考 | 取引のみ可能であり、取引記録のみをブロックチェーン上に記録する | 契約書のような情報を付与した取引が可能であり、付随情報もブロックチェーン上に記録する |
具体的に、イーサリアムでは自由度の高いプログラミング記述が可能となっており、ブロックチェーン上にアプリケーションなどのサービスを記録(構築)できます。
しかしビットコインの場合は、決算手段のみがブロックチェーン上に記録されるだけで、それ以外の情報は記録することができません。
上記のとおり、ビットコインが通貨として役割を持つのに対し、イーサリアムはアプリケーションを構築するためのプラットフォームとしての役割を持っているため、それぞれの利用用途は全く異なったものとなっています。
イーサリアムと同じ役割を持ったプラットフォームは、ソラナやバイナンススマートチェーンなど複数存在します。
イーサリアムの特徴
『イーサリアム=ブロックチェーン技術を用いた、アプリケーションを開発するためのプラットフォーム』と聞いても、アプリケーション開発するためのプラットフォームなんていくつもありますし、なんでこんなに人気になってのかわかりませんよね。
実は、イーサリアムの人気の秘密は、イーサリアムの最大の特徴であるスマートコントラクトにあります。
スマートコントラクトとは、取引データや契約データといった「外部からの情報」がトリガーとなって実行されるプログラムです。
イーサリアムはこのスマートコントラクトを取り入れることで取引の全自動化を実現しています。
もちろん、イーサリアム上に構築されているアプリケーションもすべてが自動で動作します。
以下は、実際にイーサリアム上に構築されているアプリケーションである「UniSwap」についての説明です。
UniSwapは、イーサリアム上に構築されている「分散型の仮想通貨取引所」であり、仮想通貨の取引サービスやステーキングサービスなどを展開しています。
※分散型取引所:全てが自動で動作する管理者のいない取引所
UniSwapでは、全ての機能が自動で動作しているためサービスの利用時間に制限がなく、ユーザは好きなタイミングで取引サービスやステーキングサービスを利用することができます。
上記のとおり、今までコインチェックやGMOコインといった仮想通貨取引所や、銀行などの金融機関が果たしてきた役割を全自動で稼働するアプリ(取引所)が代替できるのです。
この時点で「イーサリアムが金融システムに革命的な変化をもたらした」と言えますよね。
さらに、イーサリアム上には金融アプリ以外にも(ゲームアプリなど)さまざまなものが構築されているため、参入するプロジェクトが増えてスマートコントラクトの新しい活用法が登場することで、イーサリアムの人気はさらに高まっていくことでしょう。
イーサリアムのメリット
イーサリアムのメリットは次の4点です。
- 自動での契約や取引が可能になる
- ステーキングが可能
- 市場の先駆者
- 世界中の有名企業が注目
では1つずつ説明していきます。
自動での契約や取引が可能
イーサリアムが誕生したことで、取引や契約の仲介を全自動で行えるようになりました。
これまで銀行や取引所などの組織が人の手で運営していたサービスを、プログラムが全て自動で実行してくれるため、仲介者がが不要となり、仲介手数料の削減や不正の防止を実現したのです。
さらに「スマートコントラクトの実行履歴はすべてがブロックチェーン上に記録され、この実行履歴はだれでも見れる」ことから、従来の金融取引と比べて、取引の透明性が大幅に向上したとも言えます。
この仕組みは金融取引以外にも応用できる技術なので、さまざまな分野で自動化が進んでいくことが期待されます。
ステーキングが可能
イーサリアムは大型アップデートの一環として、取引(トランザクション)承認方式の移行を計画しています。
取引(トランザクション)の承認方式が PoW(Poof of Work)から PoS(Proof of stake)に移行することで注目すべき点が「ステーキングが可能になる」ことです。
ステーキングとはプラットフォームで資金をロックする(預ける)ことで、報酬を受け取れる仕組みであり、これを利用することで継続的に受け取れる収益(=インカムゲイン)の収入源を構築できます。
なお、UniSwapやSushiSwapなどの分散型取引所では、既にステーキングが行えるので、興味のある人は気軽に挑戦してみてはどうでしょうか。
市場の先駆者
イーサリアムは、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームの先駆者であり、これは最大のメリットだと言えます。
いずれの分野においても先駆者の価値は高くなる傾向にあり、イーサリアムも既に仮想通貨市場で圧倒的な地位を築いています。
仮想通貨市場で絶対的な存在となっているイーサリアムは、市場の発展とともにその価値も上昇していくことが予測できます。
世界中の有名企業が注目
「イーサリアムを活用したビジネス」を目指すエンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA) という組織の存在も、イーサリアムに大きなメリットをもたらします。
この組織にはJPモルガンやマイクロソフト、KDDI、トヨタなどの世界的な有名企業が参加しており、スマートコントラクトの技術をビジネスに取り入れるための研究を行っています。
エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)でイーサリアムを用いたビジネスが開始された場合は、イーサリアムがさらに身近なものとなります。
イーサリアムのデメリットやリスク
どんなことでもデメリットが存在するように、イーサリアムにもデメリットやリスクは存在します。
イーサリアムのデメリットは次の3点です。
- 速度の遅延と手数料の高騰
- 他のプラットフォームの台頭
- 各国による規制
ひとつずつ説明していくので、しっかりとデメリットを理解したうえでイーサリアムを利用しましょう。
速度の遅延と手数料の高騰
イーサリアムは、開発当初に「現在のような規模」で使用されることが想定されておらず、予想をはるかに超える利用数から、現状キャパオーバーの状態となってしまっています。
この問題はスケーラビリティ問題と言われ、これによって取引の処理速度が低下したことに加え、取引時に発生する手数料も高騰してしまいました。
※処理速度や手数料の詳細については他のプラットフォームの台頭をご覧ください。
現在もスケーラビリティ問題を解決するために開発が進められていますが、いつ解決するのかは分からない状態となっています。
他のプラットフォームの台頭
イーサリアムは先駆者有利の点から、仮想通貨市場で不動の地位を築いていますが、より使いやすいプラットフォームが台頭してきた場合、市場におけるイーサリアムのポジションに大きな影響を与えることが想定されます。
実際に、最近はスケーラビリティ問題に対応したプラットフォームが続々と開発され、イーサリアムより使い勝手の良いものも増えています。
以下はイーサリアムと、その代替チェーンとして人気のプラットフォームの比較です。
プラットフォーム | イーサリアム | ソラナ | バイナンス |
取引手数料 | 2000円 | 0.015円 | 50円 |
取引の速度(秒) | 17(/s) | 5000(/s) | 50~100(/s) |
1ブロック生成速度(秒) | 300(/s) | 0.4(/s) | 3(/s) |
コンセンサス | PoW→PoS | PoH | PoS |
権力 | 分散型 | 分散型 | 中央集権型 |
※上記は2021年4月時点のものであり、時間とともに変動していきます。
ソラナやバイナンスチェーンなどの代替チェーンはスケーラビリティ問題が対策されているため、これらを用いることで取引手数料の抑制や、処理時間の短縮を実現できます。
上記の理由から、最近では多くのイーサリアムユーザが他のプラットフォームに乗り移っています。
ただし、イーサリアム自体もスケーラビリティ問題を解決するために開発が進められているため、将来的にはイーサリアム上でもスケーラビリティ問題が解消されることが予測されます。
各国による規制
次のリスクは各国からの規制の対象となり得ることです。
仮想通貨は「金融面で権力を有する国家」にとって、都合の悪いものでもあります。
- 仮想通貨が普及すると、国が発行する法定通貨の金融面での権力が弱まる。
- 金融緩和や縮小などの政策をとることができないため、経済的なコントロールも難しくなる。
上記の理由から、イーサリアムだけでなく仮想通貨市場全体が規制の対象となり得ます。
実際に2021年5月に中国当局の規制が発表されたことにより、ほぼすべての仮想通貨の価値が大きく下落しました。
新しい技術に対する規制はつきものですが、排除ではなく法定通貨ともうまく組み合わせるような選択を期待したいです。
イーサリアムの歴史
引用元:Web illustrations by Storyset
イーサリアムは数ある仮想通貨の中でも、とくに長い歴史を持ちます。
2013年に開発が始まって以降、さまざまな分岐点を経て、今では市場を代表する仮想通貨となりました。
では、イーサリアムの歴史の中には、どのような分岐点があったのでしょうか。
- The DAO事件
- 大型アップデートによる進化
上記は、今のイーサリアムの歴史の中で、特に大きな分岐点となった出来事です。
イーサリアムの将来性を見極めるためにも、これらの事柄はしっかりと頭に入れておきましょう。
The DAO事件
2016年にイーサリアムプラットフォームから、当時で50億円相当にあたるイーサリアムが盗まれました。
原因はスマートコントラクトによって半自動で作動する自律分散型投資ファンド「THE DAO」の弱点をつかれたことにあります。
この事件をめぐり、その後の対応としての意見が以下の2つに分かれてしまいます。
- この問題に柔軟に対応する(=ブロックチェーンを改ざんして50億円相当の損害がなかったことにする)
- 非中央集権を重んじる(=ブロックチェーンの改ざんによる攻撃の無効化は許されない)
最終的にこの意見が交わることはなく、イーサリアムのハードフォーク(分裂)が起こりました。
- 問題に柔軟に対応する ⇒ イーサリアムクラシック(ETC)
- 非中央集権を重んじる ⇒ イーサリアム(ETH)
以上の理由によって、現在はイーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)が存在しています。
さらに、2021年10月時点でのイーサリアム(ETH)の時価総額は市場全体で第2位、イーサリアムクラシック(ETC)は第26位となっており、どちらも需要が高い状態であることがわかります。(参考:CoinGecko)
大型アップデートによる進化
イーサリアムは開発当初の時点で、段階的なアップデートによる改善が計画されていました。
- Frontier(フロンティア:未開拓地)
- Homestead(ホームステッド:開拓地)
- Metropolis(メトリポリス:都市)
- Serenity(セレニティ:安定)
上記のアップデートは定期的に行われ、イーサリアムはそのたびに性能や機能を大幅に向上させてきました。
現在は最終的な段階であるPoWからPoSへの移行に差し掛かっており、このアップデートが完了することでイーサリアムの価値がさらに高くなる可能性は十分にあります。
また、定期的なアップデートにはスケーラビリティ問題への対応も含まれているため、イーサリアムは今後もより使いやすいプラットフォームとなっていくことが期待できます。
イーサリアムの将来性
結論から言うと、イーサリアムはまだまだ伸びる可能性があります。
まず、イーサリアムは仮想通貨市場において絶対的な地位を築いているため、今後も他のプラットフォームに埋もれて消えていくことは考えにくいです。
実際にイーサリアムの価値に関して、専門家のほとんどが上昇するとみています。
また、仮想通貨市場は急速に成長しています。
銘柄 | 2017年9月 | 2019年9月 | 2021年9月 |
ビットコイン(1BTC) | 480,000円 | 900,000円 | 5640,000円 |
イーサリアム(1ETH) | 20,000円 | 20,000円 | 430,000円 |
バイナンスコイン(1BNB) | 100円 | 3,000円 | 50,000円 |
ケーキ(1CAKE) | - | 100円 | 2,000円 |
上記は、代表的な仮想通貨の2年ごと価格推移です。
上記のとおり多くの銘柄が過去の価値の何倍にも成長していることから、この市場の成長がいかにすごいかが分かりますよね。
仮想通貨市場で絶対的な存在となっているイーサリアムは、市場の発展とともにその価値も上昇していくことが予測できます。
「もっと安いうちに買っておけばよかった」とならないためにも、この波に乗ってみるのもひとつの選択肢ではないでしょうか。
注意
価格の上下が激しいので、価値の暴落も起こりやすいです。
投資をする際は、必ず自分の責任で行ってください。
イーサリアムの買い方
イーサリアム(ETH)は次の国内取引所で購入できます。
仮想通貨取引は複数存在するので使いやすさや手数料を比較し、自分に適した取引所を選択しましょう。(⇒国内の仮想通貨取引所を徹底比較)
以下では「イーサリアムの購入方法」の例として、Coinchecki(コインチェック)を利用する場合の購入マニュアル動画を添付しています。(コインチェックは取引しやすくチャートも見やすいうえ、高いセキュリティ機能も備えているため、初心者におすすめな取引所です)
例)Coincheckでの購入手順
(引用:Coincheck公式サイト)